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-(会員シリーズ)過ぎし日を語る - 北谷智志

多くの出会い
北谷智志
北谷智志
(株)香川県建築住宅センター 代表取締役

 (一社)香川県建築士事務所協会の皆様には、日頃より弊社をご利用いただき誠にありがとうございます。この誌面をお借りしまして、厚くお礼申し上げます。

 私、昨年3月末に県庁を定年退職しましたが、春先に数冊の名刺入れを整理していて、多くの方と出会ったことを改めて実感しました。人生は「出会い」の連続とも言われますが、これまでの61年余の「多くの出会い」を振り返ってみたいと思います。

 実家が高松の田町交番の近くでしたので、小中高まで徒歩10分程の狭いエリアで学生時代を過ごす中、多くの友人と出会いました。うち数人とは今でも定期的に飲み会を開いており、それぞれの業種で活躍している様々な話を聞き、時には相談に乗ってもらっています。特に世界的にも名の知れた日本を代表する企業の役員の話は刺激的で、島耕作ばりの想像もつかないことが色々と出てきます。また、大学は関東方面だったので、今でも付き合っている友人は埼玉県在住の建築系の1人だけですが、3~4年毎に会って、昔話に花を咲かせています。

 昭和56年に県庁に入って、建築指導、営繕の仕事をする中、職場や現場で諸先輩方から色々とご指導いただきました。建築関係の方(皆様)とも出会うようになり、何も分かっていない若い頃は、ご迷惑もおかけしたと思います。平成元年に都市計画課に異動になって、レオマワールドなどの大規模開発に関わるようになり、デベロッパーや土木関係の方とも出会うことになりました。当時はバブル全盛期で、お会いしたくない強面の方とも話さなければならないこともあり、冷や汗をかいたのを覚えています。また、この時に、どんな仕事でも楽しんでやる、何事も経験と割り切ることを学びました。
 その後は、再び建築指導、住宅行政、営繕の職場で、建築関係の方とお付き合いする中、県立学校の耐震改修や改築にあたっては、皆様に色々とお世話になりました。平成12年には、スウェーデン・デンマーク・ドイツに海外出張(「人と環境にやさしい街づくり」と題して140枚程のレポート書き、工芸高校前通りの歩道拡幅と自転車道整備、パークアンドライドの進め方、ラッピング広告の電車・バスや広告付きバス停による財源確保、レンタサイクルの拡大など今、実現している政策を提言しましたが、当時は取り上げてくれませんでした(笑))し、街づくりについて学ぶ中で、公共交通の大切さを認識し、市民団体にも参加、そこでも新たな出会いがありました。
 平成18年に再び都市計画課に異動、丸亀町の再開発に関わり、県庁内でもバトルを繰り広げましたが、助けてくれる上司に支えられ、何とか道筋をつけることができました。この時は、開発関係のコンサルや業者の方に出会い、また、小学校時代の同級生2人とも再会しました。今でもちょくちょく会っています。
 その後、住宅行政を経て、文化振興課で仕事をした平成24、25年の2年間が、一番多くの方と出会うことになりました。まず、県庁舎東館や丹下健三展の関りで、神谷宏冶、槇文彦、磯崎新、谷口吉生、伊藤豊雄氏など錚々たる建築家の方や、丹下健三氏の親族の方とお会いしました。さぬき映画祭では、本広克行、大林宜彦監督の外、ムロツヨシさんなどの俳優の方、亀山千広前フジテレビ社長など芸能関係の方ともお会いしました。また、橋本一仁四国学院大学教授など多くの地元文化関係者や芸術家との方とも交流させていただき、今まで気づかなかった多方面の知識を得ることができました。
 中でも谷口吉生氏とは、その後も何度かお会いする機会があり、東京の事務所にも2度ほどお伺いし、昨年初めには、模型部屋で現在建築中の「谷口吉郎・吉生記念金沢建築館」の模型を見せていただきました。(来年、見に行こうと思っています。)

img-01-002.jpg  平成26年から4年間は、営繕課で県庁舎東館の耐震改修がメインの業務になり、岡田恒男(財)日本建築防災協会理事長、松隈洋京都工芸繊維大学教授など多くの方にお世話になりました。今まさに工事の最中ですが、竣工を待ち望んでいます。また、建築のみならず、設備関係の方ともお付き合いさせていただきました。私、顔もでかいですが、その分、県庁生活では幅広くお付き合いさせていただき、上司、同僚、部下に恵まれ、37年間過ごすことができました。
 そして、昨年から、(株)香川県建築住宅センターにお世話になっており、会社経営の難しさを実感しながら、日々業務に励んでおります。ここでも、社員をはじめ、関係各社の方と新しい出会いが生まれました。

img-01-003.jpg  また、多くの建築と「出会い」もありました。やはり一番、県庁舎東館との出会いです。初めにも述べましたが、実家県庁と近かったので、幼いころは爺さんに連れられて南庭の鯉に餌をやりに行っていたのを覚えています。中高の時はピロティでだべり、大学の時は「地元の建築」という課題で東館のスケッチを提出しました。その後、東館で執務、見学者のガイド、耐震改修工事の発注と、人生の大半で関わり、改めて東館の魅力を再認識させられました。
 また、就職したころ、建築雑誌で出会った「土門拳記念館」。それ以来、谷口建築に取りつかれました。海外では、アスプルンド設計の「森の墓地」。言葉が出ませんでした。建築アルアルではないですが、美術館に行けば展覧会でなく建物を見る、旅行に行けばついつい建築に吸い寄せられる等々。その他、数多くの建築に接して、感じ、学びました。

img-01-004.jpg  単に出会った方・建築を羅列する中身のない文章になってしまいまたが、私がここまで来られたのも、これまで出会った皆様のおかげと感謝し、この稿を終わらせていただきます。


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この記事について

このページは、sekkei-kagawaが2019年6月21日 17:42に書いた記事です。

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