Top会員投稿さぬき市地域活性化事業 旧多和小学校でどぶろく造り!

さぬき市地域活性化事業 旧多和小学校でどぶろく造り!

神余 智夫
藤岡 旭
(有)藤岡総合設計

 さぬき市南部の山間にある旧多和小学校は、2年前に閉校になり残念なことに子供たちの声は聞こえなくなりました。しかし今は地域の方々の元気な声が聞こえます。
 閉校が決定した頃より、閉校後の跡地利用を市と共に地域住民が一緒に考え形にしつつあります。

img-02-002.jpg  この地域は山間部で災害時には孤立の恐れもあることから、旧多和小学校は地域防災拠点の大きな役割をも果たす特に大切な施設と捉えており、また地域活動の中心的活動の役割が大きかったことから、住民がいきいきと暮らしていけるように施設整備をして複合的地域間交流施設として有効活用する取組です。
 特にこだわったところは愛着のある旧小学校をそのままの形で活用することでした。

img-02-003.jpg 閉校後の翌月4月地域の方々に地域活性化アイデアを募集提案して頂いたところ、農産物販売・お遍路プロジェクト・どぶろく製造販売・天体望遠鏡博物館等たくさんのアイデアを頂きました。住民の意識が高くとにかく始めてみようと決めました。私だけでなく地域の方々自身が、元気でいきいきと暮らせるようにしたいと考えていることに本当に嬉しく思いました。
 8月には会を発足し各地区より代表者を選出しました。週末毎に会合し、どうなりたいのか?どうしたいのか?何をすればよいかを話合いました。

img-02-004.jpg どぶろく製造に関してまったくの素人でしたので、まず多和地区全戸に製造販売所への視察研修会を案内周知したところ121人もの多数の参加により、皆の理解と親交を深める事が出来ました。これが一番の収穫かもしれません。

img-02-005.jpg 特に製造に関しては、さぬき市の協力のもと県・国に働きかけていただき平成25年3月末には香川県初のどぶろく特区に認定されまた。認定されたことにより一気にどぶろく製造施設の整備が始まり施設整備はさぬき市が、製造に関する機器等は有志による出資という形での出発でした。
 昨年9月には、待望の多和産の新米によるどぶろくの仕込みを開始し、毎日温度管理をして良いどぶろくが出来る様祈りつつかき混ぜ作業を毎日行いました。初めてどぶろくが出来上がった時は本当に嬉しく、出来具合も良かったので皆で大喜びしました。

img-02-006.jpg 11月オープン当初400本販売予定のどぶろくは初日に完売してしまい2日目に早くも予約販売となりましたが、現在ではコンスタントに仕込んでいる為お待たせすることなく販売が出来ています。
 農産物直売所はオープンに向けて地域住民総出で連日夜遅くまで作業したにもかかわらず、そこには笑顔と活気に溢れていて地域の団結力の凄さを思わずにはいられませんでした。感謝です。
 直売所オープン時には天体望遠鏡博物館のご協力により、貴重な望遠鏡で金星と月の観望会も実施しました。
 平成24年12月には、隣接する旧多和保育所に薬局を併設する診療所が出来て、山間部の高齢者にとって本当に安心できる公共サービスの場所となっています。
 ここまで旧小学校の活用経緯等を書きましたが、これから施設を案内いたします。

img-02-007.jpg  まず県道より煉瓦造りの旧小学校が見えますので校庭へどうぞ!皆様を校庭南にシンボルツリーである銀杏の木がお出迎えします。校舎前には手作り感満載の農産物の産直市です。地元70軒のご協力により旬の農産物等販売をしています。続いてそのまま一階校舎内へ入ると作品等の販売コーナー。旧教室はそのまま利用していますので低学年教室の雰囲気と黒板等が懐かしく感じられると思います。

img-02-008.jpg次に、その右隣りの入口にある大きな杉玉の奥へ入ると併設されたカフェ(笑)があります。実はサインもそのまま「校長室」なのです。来場者の方々は昔恐れ多くて入れなかった校長室で当時にタイムスリップしながらコーヒーを飲んでいます。校長室を抜けると東二階です。こんなに段が低かったかと思う懐かしい階段を上がるとだんだん米麹の好い香りがしてきます旧ランチルームを利用したどぶろく製造販売所です。

 では次に西二階の教室部分ですが、ここは平成27年より天体望遠鏡博物館になる予定です。建屋内に据付型大型望遠鏡を設置して主に天体望遠鏡を設置するほか、各教室には展示室・光学実験室・資料室・修繕室及び保管庫等として多数の望遠鏡を配置する世界に類を見ない天体望遠鏡博物館が整備オープン予定です。

img-02-009.jpg  これからの耐震補強工事等にも住民の期待は大変大きく、安心安全が守られ、地域住民がいきいきと笑顔で暮らせ、日々疎遠になりがちな高齢者にも気を配れるような中心施設として活用出来る事は、建築士として古いものも生かしつつ新しい地域の輪作りに役立てる喜びを感じています。
 この事業を通じて、建物ひとつにも人々の心の扉が開くのだと感じ責任の大きさを痛感いたしました。


|
  • TOP
  • 県民の皆様へ
  • 建築士とは
  • 建築士事務所とは
  • 建築士事務所協会会員
  • 協会会報 さぬき
  • 会員作品集
  • 良い家を建てるには
  • 設計から建築まで
  • 苦情解決業務
  • 会員の皆様へ
  • 行事・講習会
  • 連絡事項
  • 委員会
  • 協会概要
  • 協会概要
  • 入会案内
  • 賛助会
  • 賛助会
  • リンク集
  • 香川県建築設計協同組合

この記事について

このページは、sekkei-kagawaが2014年6月12日 14:49に書いた記事です。

ひとつ前の記事は「設計人生40年の記憶... 心のあり方...心地よい治まりどころへ」です。

次の記事は「-(会員シリーズ)過ぎし日を語る - 宮武茂基」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。