Top会員投稿2017年6月

2017年6月アーカイブ

-(会員シリーズ)過ぎし日を語る - 尾崎真悟

建築文化から創造都市へ
尾崎真悟
(一社)香川県建築士事務所協会 賛助会
尾崎真悟
((株)香川県建築住宅センター)

 貴重な誌面をいただき、最近、思っていることを書いてみましたが、与太話になったことをお許しください。

 いろいろな場面で、建築文化とか建築の文化性といった表現を目にすることが多い。さらに、この表現を使うのは建築分野の人であることが多い。そして、建築文化って何でしょう?、と尋ねてもなかなか的確な説得力のある答えが返ってこないような気がしている。時々、文化財に詳しい方々から伝統的な手法、景観、歴史性の価値を懇々と教示いただくこともあるが、現代建築を設計、施工する実務者の立場からは少し違う気がする。
 文化とは何なのか、と思い調べてみた。国の文化芸術振興基本方針に、
 文化は、最も広くとらえると、人間が自然とのかかわりや風土の中で生まれ、育ち、身に付けていく立ち居振る舞いや、衣食住をはじめとする暮らし、生活様式、価値観など、およそ人間と人間の生活にかかわることのすべてのことを意味する。(途中、略)この文化の中核を成すのは、芸術、メディア芸術、伝統芸能、芸能、生活文化、国民娯楽、出版物、文化財などの文化芸術であると記されている。
 文化という大きなくくりがあり、その中のこれこれが主要な構成分野である、というような内容だと思うが、建築文化という言葉が出てこないし、建築をこれら文化芸術の活動の場、施設として捉えており、文化芸術の一部とは考えていないようである。敢て文化芸術の中に建築の居場所を探すとそれは文化財の建造物ということになり、先ほどの文化財の方の考え方は国の方針に沿っており全く正しいのである。
 しかし、現代建築は芸術性の高い文化である、と思いたい私にとっては戸惑ってしまう。
 いろいろ考えるに、日本では、人の思考、能力、専門分野や社会での活動を、理科系と文科系、科学・技術と文化・歴史など、いわゆるハードとソフトに分ける傾向がある。現代建築は、理科系で科学・技術のハード分野であり、ソフト分野の文化芸術ではないと見られているような気がする。
 一方、建築に関わる者は、おそらくこういう分野の境界を感じていないのではないか。
 これが、「建築の文化性」の説明もどちらの側の人間かによって、互いによくわからない、それは違うだろう的な状況になっている原因ではないだろうか。
 建築は、最初の定義に照らし、人類発祥から自然と関わり、生活の一部として存在してきたものだから、大きなくくりの文化であることは間違いないだろう。次に、現代建築は、意欲的な創造活動により生み出されるものであることから芸術と同じ位置付けであり、文化の中核をなす文化芸術でもある、と思う。

img-01-002.jpg 以前に、小豆島でアーティストと関わる仕事をしたことがある。彼らは、芸術家として自負があるが、建築に対しては敬意を表してくれる。その中の一人、米国人のJ氏が、「建築とアートは非常に似ている。違いは、アートは根幹が哲学であり、建築は根幹が数学である。」と語った。彼の作品は、建築の内外装のような作風である。建築の人も一度は彼の作品のようなことをやった経験があるのではないか。アートの世界もキャンバスに絵を描くことから、いろいろな空間の一部として表現する立体作品が主流になっている。建築への接近であるが、防災上や安全上のことはやはり建築の専門性が必要であり、コラボをしたいとも。彼の話から、建築家は微分積分ができる芸術家である、ということになるが、これは、建築の持っている芸術性を証明しているようにも思える。

 「で、どうしたいの?」というところで、次の段階として、「創造都市」である。

img-01-003.jpg 創造都市とは都市を創造するという意味ではなく、創造的な都市(クリエイティブ・シティ)という意味らしい。海外からの概念のようだが、日本では、建築分野での都市計画手法ではなく、芸術分野のアウトリーチのように捉えられている。
 また、「地域の活性化」が各地で叫ばれている。これもいろいろな形態があるが、アーティストを呼んできて一緒に創作活動をするというもの、著名な建築家の作品や伝統的建造物、伝統芸能などを核にして活性化を図るものなど創造都市を意識しているようにも思える。

img-01-004.jpg 都市の個性、形態として創造性を言うなら、本来は建築の手法であり、建築の得意分野のはずだが、なかなか現代建築の影響力が話題にならない。先ほどからのアートかサイエンスかということ以外に、建築は、莫大な工事費がかかり、建築家は実務上、コンサルタントか請負者の立場にあり、建築主(事業主)は別にいることが大きいと思える。
 そんな中で、個人的に注目しているのが、建築の意欲的な創作活動によるクリエイティブな匂いのする都市空間である。またまた抽象的で、分かりにくい表現を使ってしまうが、何らかのプロジェクトとして進められたと思われる現代建築の創造性を活用した、いわば建築色の強い創造都市がある。

img-01-005.jpg 横浜、神戸、尾道の街並みに実際に接してみた。都市再生というのかもしれないが、デザインされた都市の形がある。建築とアートのコラボもある。クリエイティブな匂いがする、何か落着く、居心地の良い空間を感じる。そこは、自然に人が、それも若者が集り、そしてにぎわっている。

img-01-006.jpg 横浜、神戸は都会だから一工夫するだけでよいのかもしれないが、尾道には驚いた。坂の多い、斜面からすぐ海といった街で、倉庫街のリフォームやウッドデッキの遊歩道だけではこれだけのにぎわいは作れないはずである。
 テーマは歴史文化の活用だそうだが、建築の創造性(文化芸術性)の匂いがした。もっと調べてみたい都市である。
 以上、ろくに調べもせずに感覚だけの事例紹介になり、それも港が好きなだけにウォーターフロントばかりになり、今後の課題が多い結果になった。

 一工夫ある設計、周辺環境や地域の特性へ配慮した設計、これらの積重ねが創造性あふれる都市につながるように思います。文化芸術としての建築、創造都市、こういった役割を担うのも建築士事務所協会の皆様ではないでしょうか、是非、頑張ってください。


|

趣味のひとりごと

伊牟田 隆
副会長 伊牟田 隆
(株)日鋼サッシュ製作所

  平素は、(一社)香川県建築士事務所協会の活動に御理解と御尽力を賜り、誠にありがとうございます。
 今回、歴史ある会誌「さぬき」に寄稿させて頂く事となりましたので宜しくお願い致します。
さて、私の趣味は在り来たりではありますがゴルフであります。
 と言いましても競技ではなく純粋にスポーツとしてさせて頂いております。
 当初は、父親に誘われて練習場に行ったのがきっかけとなり社会人になったのを機に本格的に始めました。
 ここでやり始めて20年になった今、この様なお話を頂きましたので改めてゴルフに関して少し調べてみようと思いましたが、実は諸説が色々あり起源がはっきりしないようです。
 発祥の地としては、オランダ・イギリス・フランス・イタリア等様々です。(何と、中国という説もあるようです。)
 現在のスポーツとしての形になったのは、御存じの方もいらっしゃると思いますがスコットランドとなっています。
 そこにある「セントアンドリュース・オールドコース」が今でもゴルフの聖地と言われる所以だそうです。
 また、ゴルフにまつわる数字というのも気になるところですよね。
 18ホール、パー72、14本など・・・
 調べてみると気になる事が沢山あり、こういうのも興味をそそられる所です。
 先ほどのゴルフの聖地「セントアンドリュース・オールドコース」は当初12ホールから始まりそこから改造を重ねて22ホールにまでなったのですが、広くなりすぎた為か市民生活に支障をきたしているとの理由から市にコースの一部を返還しなくてはならなくなり、その結果18ホールになったそうです。それ以降これをひとつの基準とするようになり今に至るという説があるようです。

img-02-002.jpg 42.67mm以上のボールを(過去にはスモールサイズ41.15mmもあった)108mmのカップに少ない打数で入れるという単純なスポーツにも関わらずこれほど多くの人を引き付ける魅力はなぜでしょう?(しかし、108mmが煩悩の数とはまた意味深です。)

img-02-003.jpg 理由は、人それぞれあるでしょうけれども私が感じる所では年齢も性別職業異なる人たち・仲間たちが一緒に緑と青空の下、四季折々のゴルフ場歩き回ってプレーを楽しめる。これに限ると思います。
 そして、個人的関係が構築されやすいとも思います。現に今年入って日本国首相とアメリカ大統領が首脳会談をした際にゴルフをしたという事で大変大きなニュースになりました。
(評価は色々あるでしょうが・・・)
 また、人間性と言いますか心を鍛えさせてもらえる所もゴルフにはあります。
 初めたての頃、うまくいかない自分に腹をたてて同伴競技者の事など忘れたかのように当り散らかしていた頃がありました。
 しかし、諸先輩の方や上級者の方と御一緒させて頂く機会が増えるたびに自分の未熟さに気づかされました。この事は社会人として生きていく為の肥しにもなりました。
 今後は「奇跡」「偶然」「たまたま」「ラッキー」の言葉を強く信じてゴルフに精進しつつ、まだ行っていないゴルフ場に行きそこの御当地のおいしい食べ物を食べ楽しいゴルフライを送れる様日々努力していく所存であります。

img-02-004.jpg


|

自分の声を聞く・・・・・・古希を迎えて いつの間にか・・・お気に入りに囲まれて 揺らぎ・・・の感覚 生き方に想う

入江 丈水(英樹)
入江 丈水(英樹)
空間工房+草sohまちづくり研究室

 還暦から私の設計生活に大きく軌道修正をかけてきてから・・・気がつけば 古希を迎えようとしている・・・ 早いものである。
 教職歴から・・・職住一体でのアトリエ設計事務所に憧れて40年余・・・結構充実した設計生活を送れたことに感謝しつつ・・・団塊世代の私が70を迎える年になって少し緩んで来ていたようだ。 このエッセイを依頼されて、杖に頼るようになってきた自分を 改めて思い知らされた感がある・・・・・
 平均健康寿命70歳・・・以前聞いた言葉が頭をよぎり・・・私の生活・仕事の周辺から自分を見つめ直し、これからの人生・設計生活を改めて探ってみたいと思った。
 この頃、テーブル脇に置かれているのは 
「神々の譜・・・・・シルクロードの印章」、「白川義員作品集 新約聖書の世界(遺跡写真集)」、「古墳の暗号」等 の史跡関連書、古代美術関連のコレクション集等・・・
 芸術系書籍・・・それも原始美術、民族芸術系が多くなってきている。そして、地球儀、世界・日本・各種地図帖、古地図、文様関連、風水羅盤が隅の方に控えている。
 そして、アトリエ応接兼ギャラリーと書斎には、とりあえず置けるだけの本が詰め込まれている。
 ・・・ル・コルビジェ全集(8巻)、フランク・ロイド・ライト(12巻)、村野藤吾図面集(8+6巻)、中国古建築図集(原書 10巻)、Modern Architecturein Drawings(50巻)・・・等の全集ものと実務資料等はともかく、あれほどあった一般専門書の類・・・は奥へと押しやられ、建築学大系(改定・40巻)、ブリタニカ国際大百科事典(6+24巻)・・・等に至っては手の届きそうもない所に追いやられている。
 プライベート書斎は無論だが使われなくなった子供部屋二つとも収容しきれない専門書、建築雑誌等の書庫がわりとなっている。
 気付けば、読む本のジャンルは随分と変わってきたものだ。 作品創りには、ノイズレスな手法をデザインに求めながらも 素材・装飾といったものの発振・・・空気感(方向性のある揺らぎ・・・の感覚)を重視してきた。 これからもそうした私の設計スタンスのベースは変わらないと思っています。
 本に囲まれて40年余・・・ 父(稔)の代からの専門書、洋館の設計資料等、古い新建築等の雑誌類、学会論文集等、大工でもある祖父の残した各種資料が増設物置にまで不自由な棚位置で埃を被っていて・・・稀に探して・・・という状況である。
 そして、手に取りやすい位置に並んでいるのは、内井昭蔵(カバーにイコンが埋め込まれた作品集、ロシアビザンチン―黄金の環を訪ねて (建築巡礼)、ドローイング集、ディテール集等・・・)、スカルパ、タウト等、気に入った展覧会図録等(円空木喰の一木彫・・・「一木にこめられた祈り」の 特別展 仏像 等)はたまに手にするがその内容も随分と変わってきたようだ。
 設計図書、書類等も膨大になり以前はスタッフ等に任せて・・・ということもあって書類等があまり把握出来ていないこともあり、還暦頃から徐々に事務所内の整理・処分等については考えてきたが古稀を迎えて思い切った整理を加速させている。
 ・・・コピー機の入れ替えもままならない状況となってきた事もあるが・・・
 整理中には、懐かしいものが時々出てくる。つい目を通しだすとやはり見入ってしまう。プレゼンパネル、写真パネル等は嵩張りすぎるが懐かしく処分するには抵抗がある。40余年に及ぶ積み重ね分の整理とは大変な作業だと痛感しています。
 以下、思い出の挿画・写真についてコメントしておきます。

・尽誠学園記念体育館(私の処女作「作品№0001」でもあり特に思いの深い作品です・・・香川県建築士会優秀作品賞)作品パンフの一ページ。
 この10年後に百周年記念武道館(淳風館・・・香川県建築士会優良作品賞)が竣工・・・学園のキャンパスを介して、互いの存在を確認しあうかのように正対して佇んでいる姿は、私にとって忘れられない風景の一つになっています。

img-03-002.jpg ・宗教建築・空間への関心が多様に拡がり寺社巡りに嵌りだした時代(35年ほど前)の思い出の禅宗寺院計画作品(第一段階・・・山門、参道関連等は敷地関連で未定のまま)・・・この後一期工事(衆寮)が着工。寺社巡りは現在も継続中・・・

img-03-003.jpg ・エントランスギャラリー 奥に あり胡同(読書・観賞コーナー・・・)
 錆石地蔵、トルコインドの魔除け・・・等を始め四季・暦・・・等により設えが変わる・・・  多くの小物たちが迎えてくれる。

img-03-004.jpg ・研修旅行のひと時・・・レコンキスタの狭間にて・・・
 何かの・・・ 感覚・気づき・・・等も探ろうとしての旅先で・・・

img-03-005.jpg  職住一体のアトリエ兼住居ならではの・・・やはりお気に入りの場(・・・癒しの場・・・身体感度の上がるような感じの場)・・・というものを設え、そこここに配してきた。 出来る範囲での増築・改装等ではあるが、ほぼ18年毎に相当量の模様替えを重ねてきた。そうしたサイクルは性に合っていたようである。季節を感じつつ、四季・暦・節句・・・等を踏まえながらの拘りの演出・・・  似合う小物たちも控えめながら・・・場の情景を生活に取り込んでいる。

 打合せ場兼サロン吹き抜けに面する、浮遊感のある踊場コーナーデッキは気分転換用として 絵本(洋書・・・国、作家による多様な感性に魅せられる・・・)、癒し系の本類と、ヒーリング曲CD類が並んでいる。・・・
 これは 洸雲の座 と名付けて(気恥ずかしいが・・・)気に入っている。吹き抜け空間の要部に配された写真パネル(特殊撮影されたダイヤモンド讃岐富士・・・撮影山田耕治氏)が後光(洸)のような神々しさを発振している。そして眼下のハンモックはテレビ観戦の椅子替わりともなり、真似事の空中ヨガにも役立っている。

 そして、隣接して事あるごとに利用する・・・瀬戸内の島々を遠望できる止まり木的な踊場腰掛け出窓・・・・・・この40年ほどで建物も増え、徐々に観えにくくはなってきたが・・・ 丸亀港、多度津・・・の花火等では絶好のビアカウンター席となる・・・  ・・・なっていたが、最近は中三階ロフトの二つの小さな展望デッキ(水月巣、暁月巣と呼びお気に入り席でもある)が眺望の良さもあり指定席になりつつある。

 猪熊弦一郎現代美術館の空間が好きで時々立ち寄っている。展示された猪熊の小物たちも私の好みに合い、結構癒されている。
 そしてカスケードプラザに取り込まれたような心地よい空間のCafé MIMOCAで寛ぎながら、展示中の図録を捲るのも好きである。

 五色台連山、飯野山、大麻山(象頭山)、五岳山、天霧山等の山並みと、瀬戸の島々に囲まれて、中讃地域で育った私にとって瀬戸の海と島は、原風景の深い背景も併せ持っている
 そのせいかアトリエ書斎には 瀬戸内関連書等が自然と纏まってきている。
 塩飽-シーボルト『江戸参府紀行』より・・・・・・から始まる「塩飽の船影―明治大正文学藻塩草」平岡 敏夫、 技術の風土記「塩飽本島泊の芝居小屋」普請研究第十七号:普請帳研究会、 「塩飽史年表」塩飽史談会編h23.6、 「塩飽海賊史」真木信夫、 「発心野田大燈-喝破道場草創十年」野田大燈・・・題字・挿画の和田邦坊氏自宅の赤い襖が懐かしい。 「瀬戸の海明かり」香川県建築設計監理協会、 「丸亀 郷土の歴史を彩った人々」白川悟、 「四国の建築工匠 調査研究報告書」昭和54年 日本建築学会四国支部建築工匠研究委員会、 「四国の民家 建築家の青春賦 」日本建築学会四国支部、 「香川県の近代化遺産―香川県の近代化遺産(建築物等)総合調査報告書」2005年 香川県教育委員会、 「香川県の近代和風建築―香川県の近代和風建築総合調査報告書」2010年 香川県教育委員会、 「塩飽物語」・「神々と仏たちのふるさと」塩飽の見どころ聞きどころ」等・・・よねもとひとし、 「木烏神社 異形鳥居の源流を求めて」香川県文化財保護協会文化財協会報、 四国新聞連載の冊子「古いにしえからのメッセージ」県埋蔵文化財センター, 讃岐国府跡、古代寺院、遺跡関連の講座(丸亀・坂出・高松市教育委員会、県埋蔵文化財センター等)・・・現地説明会・報告会等、 「古寺全集」 「古地図展」 「讃岐国分寺の考古学的研究」渡部明夫、 「英知 創造 愛・・・時にふれ 人にふれー」金子 正則、 「双陽の道大久保諶之丞と大久保彦三郎」馬見 修一、 香川県重要文化財耐震予備診断業務、 「瀬戸内海―海と人の歴史」香川県立ミュージアム講座・・・古代の海の道、 市民講座 讃岐の古代:藤井雄三、 「郷土の未来文化遺産」を考えるセミナー(中津万象園)、北前船関連、郷土写真集等 が目に留まる。

 この数年は(膝腰を庇いながら、杖も携帯して・・・)足腰が弱らないようにと散歩、散策・・・できれば自然の中での・・・にはまっています。 そして、どこに行くにも一眼レフカメラを携えています。
 昨年は、久々の瀬戸内国際芸術祭も三度目でもあり親しい人達との話題でもありました。夏会期は犬島、豊島でしたがあまりの暑さに(年のせい・・・)閉口して残りを秋会期に廻した為、紅葉シーズンと重なり...10月からは忙しい毎日でした。
 カメラ片手の紅葉散策ルートは、蔵王(山形)から最上川、銀山温泉郷、平泉、厳美渓、裏磐梯、日光山輪王寺 等、階段等も多く杖との格闘でもありました。
 その前年は、宝福寺(雪舟の鼠・・・)・補陀洛山圓通寺(良寛ゆかり・・・)・寒霞渓・石鎚神社・上,下賀茂神社(式年正遷宮)・北野天満宮・法泉寺(三色紅葉・・・)・本, 深耶馬渓・菊池渓谷(九州の奥入瀬・・・・・・今回の地震の被害は残念です)・仁比山神社(九年庵)・光明禅寺(苔寺)・郡上八幡・五箇山集落・兼六園等・・・
 さらにその前年は、寒霞渓、五色台雲辺寺、伊豆・熱海・鎌倉等・・・。
 駆け足が殆どでしたが、時々目の覚めるような逆光の陽葉のほころびにも感動を覚え、シャッターチャンスに恵まれることもありました。
 今年の観桜・撮影予定は 涅槃桜(善通寺・ミョウジョウジサクラ)、綾川西分のしだれ桜、高知牧野公園、仁淀ブルー(川)界隈・ひょうたん桜等、しまなみ海道の島々の桜、・尾道界隈等を駆け足で・・・ 考えています。
 厳島神社散策で天霧石の説明を受け、讃岐でも意外に知られていない十五丁石(天霧山)を想うと、親近感も増してきた事を思い出しています。

 観桜会、観月会、家族会等でも心和むひと時を頂いてきたロータリークラブ歴も今年31年目を迎え・・・これからも長いお付き合いになりそうですが・・・感慨深いものを感じています。
 そして、私にとって設計とは人生そのものと言えるようなものではなかったか・・・と思うこの頃です。


|

微笑みの国 赤い夕陽の独り言!

井上 輝幸
井上 輝幸
T・R建築設計(株)

 東南アジアの中で日本に一番近い国、マレーと中国文化の血を引き、スペイン、アメリカの統治を経て、深く欧米の影響を受け独特の文化風習を持つ〝フィリピン〟関西国際空港から約3時間半で首都マニラに到着し、短時間で南国情緒満載の世界有数のリゾート地にいけるのにいまいち人気が無いなーと思うのは僕だけかな~。

img-01-002.jpg  7,000余の島々からなるこの国の人々は、ちっちゃい子もネ-チャンもオッチャンも皆な笑顔、笑顔、笑顔、とにかく純粋なのだ、日本もこんな時代が有ったよな、でもこの国では今も当たり前のことなんだ「マブーハイ」
 マニラ空港では入国審査を待つ人の数にビックリ!10列ほどに70~80人が並んでいて約700~800人が狭い場所に詰めているのだ、これが世界中から一日何便も来るのだから国際都市マニラ恐るべし。
 ヌボーと人の頭を見ていたらモグラたたきをしたくなってきて思わず鼻をつまんでしまったのだ!
 僕はマニラでの宿はどっちも空港から約1時間のパサイシテイのヘリテイジホテルかイントラムロスのマニラホテルと決め打、理由はヘリテイジホテルの近くには日本大使館があり歩いて15分位の湾岸沿いには大型ショッピングモール〝エイジア〟があり映画館のおまけ付、日本には無い物が結構あって安心と生活の為に選んでいるのネ、マニラホテルは結構古く警備は万全、朝飯はバイキングスタイルで豪華絢爛?原産のマンゴーはオレンジ色と青色の2種類ありどちらもとっても惚れてしまう、フィリピンのマンゴーはとろけるほど甘いさらに超安い、例によってだらーしなく街を歩いているとマンゴーの木がこれ又だらーしなく道路際に立っていてポロリと実がなっている異次元の世界だよな~。

 ヘリテイジホテルとマニラホテルの中間に長さ2キロ位のベイウオークがベローン(幅20m)とある、外れにアメリカ大使館があり日雇い希望がゾロゾロ並んでいる〝当たり券は少ないケンネ〟と阿呆面して眺めていたら昼間も人が多いのに夕暮れ時に成ると国籍不明のネーチャン、ニイチャン、さらにオカマのネーチャンらがワラワラ登場いつのまにか屋台が開店、へんてこりんな舞台があっちもこっちも!くねくねオカマショーの開演となりこれで朝まであるのだ、なぜか椅子机があってホゲーと座ったらテケテケテケとフィリピーノが来たのですかさず〝ちべたいサンミゲルビールとテラピア〟を注文したらびっくりの速さでこんがり焼けたテラピアとサンミゲルが来た、カラマンシーをぶっかけて仲間と〝旨いネー〟を飛ばしながらサンミゲルをグビグビ、テラピアをパクパクだらしねーくウダウダやっていたら夜明けてしまったのだトホホホ!
 僕は朝市大好きオッチャンなのだ、毎朝1~2時間あへあへ運動しちゃう、ヘリテイジホテルから朝市場へ行って戻る、フィリピンの市場はビルなど殆ど無いトタン屋根シャッター無、店頭の商品が見えない程の人、人、人なんでも超安い製品保証期待するのはヤボ、自分探しの僕は超楽しく面白いのだ、僅かなものを買ってホテルにかえる、人ごみにさらばなのジャー

img-01-003.jpg この国はスペインさんのおかげで教会が多い、中でもメトロマニラのイントラムロスに建つサン・アグスチン教会はフィリピン最古で石造のバロック建築で世界遺産、タクシー代けちってジープニーで〝おろしてコノヤロ~〟と絶叫したら着いた、入り口でローソクと線香を捧げつつ礼拝堂へ足を踏み入れた途端圧巻の装飾美の中、マイクを通じて朗々と伝道師が聖書を詠んでいて驚愕の荘厳感が僕を包みこみ人間の偉大さを改めて思い知らされた。

 マニラ空港から小っこい飛行機のこれまたちっこい座席で1時間フライト、隣りの細長いセブ島に着く、此の島は南北端にサンゴ礁があり世界的人気のダイビングスポットがあるボンベいらずシュノーケルで十分楽しめる、カラフルな魚たちと戯れながら天国を味わってしまう。

img-01-004.jpg セブ島での宿はサン・フェルナンドのプルクラ、なんせプルクラが有るからセブ島にくるっちゅう目の肥えた輩も多い僕もその内の一人なのだワッハッハ?
 全ての客室はスイートのプライべートプール付ビイラ、レースの蚊帳付のべッドは王様ダ~。
 結構うまいフレンチディナーへは一張羅のキザな服で行く、なのにだらしね-仲間はTシャツと短パンおまけにスリッパ〝場を読んでねえな-〟それでもサンミゲルやらワインをグビグビ、日本酒が無いから日本人此処にありとはなんねーけんど、ほろ酔い状態でメインプールでザンブリコ!水につかってちべたいマティーニをチビチビ舐めながらボヤーと空を見上げるとトーチャンも!の星の数、なんぼなんでもこんなにいらねえのになーと文句は言わないけど凄すぎてだらしねー仲間も〝フガ!シーン〟

img-01-005.jpg 僕はどんな国、何処へ行っても魚を釣るのだそして喰らう、プルクラには常時警備員付のプライべートビーチが〝ドデーン〟と有る隅っこのほうでイカの切り身で〝ヲッシャー〟と投げガリガリ引っ張ると釣れたー!何と高級魚〝ラプラプ〟だ、興奮状態で仲間に見せたらシレーとして〝食えるの?〟馬鹿ー 阿呆な仲間は無視、ホテルで調理してもらいサンミゲル片手にガブリンコ!旨め~

 広大なホテルのプライべートべーチには飽きもせず毎日行く、波と遊びプールで泳ぎ疲れたらマティーニをチビチビ舐めながら木陰のハンモックで本を読む数頁で眠りにつく気が付くともう夕暮れだ、マニラのベイウオークでの夕日も同じだけど、この国の夕日は実に鮮やかボケーと眺めていると己の撒いた数々の愚行を全て許してくれそうな気がする、思わず合掌 〝もう日本になんか帰ってやらんもんね〟とぶつぶつ独り言、の間に夕日は沈んでしまった!

img-01-006.jpg

 人様にいばれる程旅の数が多くはありませんが、様々の人との出会い、景色、今まで見たこともないよう建物、旅は僕に人生を教えてくれる、旅は僕の人生そのものなのです。


|
  • TOP
  • 県民の皆様へ
  • 建築士とは
  • 建築士事務所とは
  • 建築士事務所協会会員
  • 協会会報 さぬき
  • 会員作品集
  • 良い家を建てるには
  • 設計から建築まで
  • 苦情解決業務
  • 会員の皆様へ
  • 行事・講習会
  • 連絡事項
  • 委員会
  • 協会概要
  • 協会概要
  • 入会案内
  • 賛助会
  • 賛助会
  • リンク集
  • 香川県建築設計協同組合

このアーカイブについて

このページには、2017年6月に書かれた記事が新しい順に公開されています。

前のアーカイブは2016年8月です。

次のアーカイブは2018年7月です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。